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行事食とは?季節の節目に願いを込めて食べる料理
行事食とは、お正月や節句、節分、彼岸、七夕、大晦日など、季節の行事やお祝いの日に食べる特別な料理のことです。
農林水産省でも、季節ごとの行事や祝いの日に食べる特別な料理を行事食としています。
日本では古くから、
– 無病息災
– 五穀豊穣
– 子どもの健やかな成長
– 長寿
– 家族の繁栄
などへの願いを、食べ物に込めてきました。
行事食の魅力は、単に「その日に決まった料理を食べること」ではありません。
旬の食材をいただきながら季節を感じること。
家族で同じ食卓を囲むこと。
そして、「なぜこの料理を食べるのか」という意味を次の世代へ伝えていくこと。
そこまで含めて、日本の行事食文化なのではないでしょうか。
節句とは?五節句の読み方と意味
「節句」とは、季節の節目に行事を行い、健康や豊作などを願ってきた日です。
農林水産省では、本来の意味を表す言葉として「節供」も紹介しています。
節供とは、節目の日に旬の食材を使ったご馳走を神様へ供え、その後、家族や仲間で分け合っていただき、無病息災などを願うものです。
その中でも特に知られているのが「五節句(ごせっく)」です。
五節句の一覧は次の5つです。
1. 1月7日 人日(じんじつ)の節句
2. 3月3日 上巳(じょうし)の節句
3. 5月5日 端午(たんご)の節句
4. 7月7日 七夕(しちせき)の節句
5. 9月9日 重陽(ちょうよう)の節句
農林水産省でも、この5日を五節句として紹介しています。
「5節句とは?」「日本の節句には何がある?」と疑問に思った場合は、まずこの5つを覚えると分かりやすいでしょう。
なお、「11月11日は何の節句?」と検索されることもありますが、11月11日は五節句には含まれていません。
11月の代表的な行事食としては、11月15日の七五三でいただく千歳飴などがあります。農林水産省の和食文化資料でも、七五三の行事食として千歳飴や赤飯が紹介されています。
五節句の行事食には何を食べる?
では、五節句ではどのような食べ物が親しまれているのでしょうか。
人日の節句|1月7日
人日の節句では「七草がゆ」を食べる習慣があります。
春の七草である、
– セリ
– ナズナ
– ゴギョウ
– ハコベラ
– ホトケノザ
– スズナ
– スズシロ
を入れたおかゆを食べ、無病息災を願います。
お正月のご馳走が続いたあとに、やさしい味の七草がゆをいただくという点でも、現代の暮らしに取り入れやすい行事食です。
上巳の節句|3月3日
上巳の節句は、現在では「桃の節句」「ひな祭り」として親しまれています。
代表的な食べ物には、
– ひし餅
– ひなあられ
– ちらし寿司
– はまぐりの潮汁・お吸い物
などがあります。
農林水産省では、はまぐりの貝殻は対になったもの同士がぴったり合うことから、良い相手との出会いや幸せを願う食材として紹介しています。
茂丸株式会社でも、ひな祭りの由来や行事食について詳しくご紹介しています。
【ひな祭りって何をするの?由来や意味について徹底解説!】
端午の節句|5月5日
5月の行事食としてよく知られているのが、端午の節句の柏餅やちまきです。
柏餅に使われる柏の葉は、新しい芽が出るまで古い葉が落ちにくいことから、家系が途絶えず続いていくことを連想させ、子孫繁栄への願いにつながったとされています。
ちまきは中国から伝わった食文化とされ、地域によって端午の節句に食べるものにも違いがあります。
七夕の節句|7月7日
七夕の行事食といえば「そうめん」です。
七夕に食べるそうめんについては、中国で7月7日に食べられていた「索餅(さくべい)」という食べ物がルーツの一つとされています。
日本へ伝わった後、時代とともにそうめんへ変化し、七夕の日に食べる習慣につながったと紹介されています。
七夕の由来や短冊、笹飾り、網飾りに込められた意味については、こちらの記事でも詳しくご紹介しています。
【七夕(たなばた)の短冊の意味や由来とは?】
重陽の節句|9月9日
9月の行事食として知っておきたいのが、重陽の節句の「菊酒」や「栗ご飯」です。
重陽の節句は「菊の節句」とも呼ばれ、菊に邪気を払う力や長寿への願いを重ねてきました。
また、旧暦の時期が栗の収穫期と重なることから、「栗の節句」とも呼ばれ、栗ご飯を食べる文化も伝えられています。
春・夏・秋・冬|五節句以外にもある日本の行事食
行事食は五節句だけではありません。
季節ごとに見ると、日本人が一年を通して自然と食を結びつけてきたことがよく分かります。
春の行事食
春には、ひな祭りのはまぐりやちらし寿司、春の彼岸のぼた餅、お花見の団子などがあります。
夏の行事食
夏には、七夕のそうめんや土用の丑の日のうなぎがあります。
秋の行事食
秋には、重陽の節句の菊酒や栗ご飯、十五夜の月見団子、秋の彼岸のおはぎなどがあります。
冬の行事食
冬には、七五三の千歳飴、冬至のかぼちゃ、大晦日の年越しそば、そして新年のおせち料理や雑煮があります。
こうして行事食を一覧で見てみると、日本の食文化が「旬」と深く結びついていることが分かります。
旬のものをいただきながら季節の変化を感じ、その年の健康や実りに感謝する。
行事食は、暦と自然と食卓をつなぐ存在でもあるのです。
ひな祭りの行事食に、なぜはまぐりが使われる?
九十九里浜ではまぐりを扱う私たちにとって、行事食の中でも特に身近なのが、上巳の節句です。
ひな祭りでは、はまぐりのお吸い物や潮汁が伝統的な料理として受け継がれてきました。
はまぐりは、美味しい海産物であるだけではありません。
対になった貝殻がぴったり重なる特徴から、良縁や夫婦円満への願いを込める縁起物として大切にされてきました。
昔の人々は、ただ食べるだけでなく、食材の形や性質にも意味を見いだし、家族への願いを食卓に表していたのです。
元料理人として考えても、はまぐりのお吸い物は、素材の旨味を感じやすい非常にシンプルな料理です。
行事の意味を子どもたちへ話しながら、家族ではまぐりを味わう。
それも、日本の食文化を次の世代へ伝える一つの形だと思います。
七夕の行事食から見える「海と自然への感謝」
七夕も、茂丸株式会社とつながりの深い行事です。
七夕の行事食はそうめんですが、七夕飾りの一つには「網飾り」があります。
網飾りには、豊漁や豊作への願いが込められてきました。
短冊に願いを書き、季節の食事をいただき、自然から恵みを受けられることに感謝する。
こうして見ると、行事食は単に「昔から決まっているメニュー」ではありません。
自然とともに生きてきた日本人が、季節ごとの恵みに感謝する文化でもあります。
九十九里浜で漁をしていると、同じ海でも毎日状態が違うことを実感します。
潮の流れ。
水温。
風。
天候。
自然の恵みは、当たり前に得られるものではありません。
だからこそ私たちも、海からいただいたものを大切に扱い、美味しく食べていただくところまで届けたいと考えています。
行事食を食べることは、日本文化を次の世代へつなぐこと
文化庁は、日本では年中行事と食文化が深く結びつき、行事食を一緒に食べることによって、家族や地域のつながりや伝統が受け継がれてきたと紹介しています。
現代では、昔と同じ料理をすべて手作りすることは難しいかもしれません。
それでも、
「今日は七夕だから、そうめんにしよう」
「ひな祭りだから、はまぐりのお吸い物を作ろう」
「9月9日は重陽の節句だから、栗ご飯を食べてみよう」
そんな一品を食卓へ取り入れるだけでも、季節や文化を感じるきっかけになります。
そして子どもから、
「どうして今日はこれを食べるの?」
と聞かれたときに、その意味を一つ伝える。
それだけでも、日本の食文化は次の世代へ続いていくのではないでしょうか。
まとめ|行事食とは、季節と願いを食卓で受け継ぐ日本文化
行事食とは、季節の行事や人生の節目に食べる特別な料理です。
人日の七草がゆ。
上巳の節句のはまぐりやひし餅。
端午の節句の柏餅やちまき。
七夕のそうめん。
重陽の節句の菊酒や栗ご飯。
それぞれの料理には、健康、成長、豊作、長寿、良縁など、人々の願いが込められてきました。
行事食の意味を知ると、普段何気なく食べていた料理も少し違って見えてきます。
私たち茂丸株式会社も、九十九里浜の海の恵みを届けるだけではなく、はまぐりに込められてきた縁起や、日本の行事、海とともに受け継がれてきた食文化までお伝えしていきたいと考えています。
季節の節目には、旬のものをいただく。
その意味を家族で話してみる。
そして、自然の恵みに少しだけ感謝する。
そんな行事食のある暮らしを、これからも楽しんでみてはいかがでしょうか。

